メキシコと言えばテキーラ、テキーラと言えばマルガリータ。
ジン・ラム・ウォッカと並んで世界の4大蒸留酒としてテキーラの地位を高めたのは、1949年ロサンジェルス、テール・オ・コックのバーテンダーJ・デュレッサー氏が彼の亡き恋人の名前を付けたカクテル「マルガリータ」を創作したのとこのカクテルが1968年のメキシコ・オリンピックでオフィシャル・カクテルに選ばれたのがきっかけであろう。
テキーラの原料は竜舌蘭と言うアロエに似た彼岸花科の植物である。
この竜舌蘭はメキシコではマゲイ(Maguey)又はアガベ(Agave)と呼ばれ、数百もの種類があり酒の原料として使われるのは、大きく分けてアガベ・アメリカーナ、アガベ・アトロビレンス、アガベ・アスール・テキラーナの3種類である。
高さが地上1メートルにも成りパイナップルのような形をした地下茎が大きくなると70Kgにも成ることがある。酒の原料になるのはこの地下茎の部分で約8年ほど生育したものを収穫し室で3日間蒸気で蒸し、澱粉質を多く含んだ汁を搾り発酵させてプルケと呼ばれるアルコール7%程の醸造酒を造るのである。
このプルケと呼ばれる醸造酒はトルテカ、アステカ文明時代から土着の人々の間で飲まれてきたもので現在でも広く飲まれている。このように竜舌蘭の醸造酒は古くから造られていたが16世紀此の地を征服したスペイン人が蒸留の仕方を伝えプルケを蒸留したメスカル又はアガベーと呼ばれる蒸留酒を造りだしたのである。
ここでちょっと注意していただきたい。 竜舌蘭の醸造酒がプルケ、それを蒸留した物がメスカル又はアガベー、竜舌蘭の蒸留酒=テキーラとはいえないのである。テキーラという名称を使えるものは、メスカル、アガベーのなかでも次の条件を満たしている物だけなのである。メキシコ政府の規制によると、原料の竜舌蘭はアガベ・アスール・テキラーナ意外を使用してはいけない、またアガベ・アスール・テキラーナ由来のアルコールを51%以上含めば良く、残り49%以下は砂糖由来のアルコールでもかまわない。(但しメーカーによっては100%アガベ・アスール・テキラーナを使用しているところもあり、ラベルに表示している。)さらに生産地域をハリスコ州全域とミチョアンカ州、ナヤリット州の一部に限定している。
この為この地域に隣接している処ではピノス(Pinos)と言う名前で売られ、それ以外の条件を満たさない物はメスカル、アガベと呼ばれるのである。
最近メキシコでは原料になるアガベ・アスール・テキラーナの栽培が間に合わず100%アガベ・アスール・テキラーナ使用のテキーラが市場から消えつつある。なにせ成長するのにかなりの時間がかかるので元に戻るのはいつのことやら・・・
さて、発酵して出来上がったプルケは単式蒸溜機で2回蒸留され、2回目の中溜部分だけを取って度数50〜55度のアルコールを得る。(55度以上の蒸留液を取ることは法律で禁止されている)これをステンレス・タンクあるいはオーク樽で熟成する。ステンレス・タンクにいれた物は3〜6カ月貯蔵され加水されて製品化される。シャープな香りがあり、テキーラらしい特徴を一番残している。通常テキーラ・ブランコ(Blanco)と呼ばれる。オーク樽に入れられた物は2カ月以上熟成するとわずかに色が付き、樽の香りも付いたテキーラとなりテキーラ・レポサド(Reposado)と呼ばれる、さらに1年以上熟成されると樽香が強まりまろやかさを増す、これをテキーラ・アネホ(Anejo)と呼び高級品ではあるが、テキーラらしさはだんだん無くなってしまう。
上記のように分類されるが出来上がった製品にメーカーが付ける名前の中には上記のような呼び方は少なく、ホワイト・シルバー・ゴールド・アネホ等が多い。
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